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第7章 招かれざる客



篤「恋愛と結婚は違うよ」

結衣「そんな事言われなくてもわかって
ます」

篤「じゃあなんでするの?結婚するより
恋人でいた方が楽だと思うけど」

結衣「結婚に対して偉く否定的ですけど
経験あるんですか?結婚」

篤「…」

結衣「図星ですか」

篤「まさか…ただ俺の両親が最低最悪で
子供ながら結婚はするもんじゃないって
思ったんだよ」

結衣「親の事、悪く言わない方が」

篤「上っ面だけの仮面夫婦、気に入らな
い事があると子供だろうと暴力を振るう
最低な親だったよ」

結衣「…ごめんなさい」

篤「別に、過ぎた事だし気にしてないよ
全然…」

結衣「…」


過去の事
過ぎた事だけど

子供の頃に受けた傷は大人になった今も
篤の心、奥底に深い傷として
残り続けている


篤「全然気にしてっ、!?」

結衣「わかりました、もうわかりました
から」

篤「…」

結衣「…」


この時
頭より先に体が動き
今にも泣き出しそうな彼の体を抱きしめ
ていた

その先に起こりえる展開など考えず
ただ抱きしめたくて
優しく…


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