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第8章 黒い陰



結衣「…んんっ」


翌朝、物音で目を覚ました結衣

部屋を見渡すと台所に待ち焦がれていた
慶一郎の姿があった
だけど…


慶一郎「はあぁ…頭痛っ…」

結衣「…お帰り」

慶一郎「結衣、ただいま」

結衣「…」


朝帰りしたのに
悪びれた様子のない慶一郎
一人暮らしの時ならまだしも一緒に暮ら
している

この状況での朝帰りは…


結衣「どうして連絡してくれなかったの
ずっと待ってたのに…」

慶一郎「あぁごめん、でも友達と飲んで
朝帰りなんて日常茶飯事だからさ」

結衣「…」

慶一郎「そう怒るなって」

結衣「朝帰りしたから怒ってるわけじゃ
ないよ…」

慶一郎「えっ、じゃあ何」

結衣「…」


不機嫌な理由
朝帰りした事も不満だったが
一番、突っ掛かっていたのは理香の事

自信がないわけでも
慶一郎を疑ってるわけでもない
ただ…


慶一郎「結衣?」

結衣「…理香さんと仲良いんだね」

慶一郎「理香?うん、まぁ…小中と同じ
だったから」

結衣「それだけ?」

慶一郎「何、何が言いたいの」

結衣「…別に」


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