嘘
第9章 消去
結衣「…」
会社を出たものの家に帰る気になれず
公園をぶらぶらしていた結衣
プライベートな事で仕事に支障を出す
それは社会人として最低だ
本当に自分は…
結衣「…はあぁっ」
またため息が出た
結衣「…」
それからどれくらいの時間が立ったのか
小さな足音と共に人影が
近づいて来た
篤「やっと見つけた」
結衣「!!」
顔を上げると篤がいた
結衣を探し走り回ってくれたのか
服は乱れ息を切らし額には若干、汗が滲
んでいた
結衣「…わざわざ怒りに来たんですか…
意外に暇人ですね…」
篤「バカッ、俺はそんなに暇じゃないよ
わかってるだろう」
結衣「…」
まだ仕事中だ
暇じゃないと言いながらも
篤は帰ろうとせず結衣の隣に腰掛け空を
見上げた
篤「彼氏と喧嘩したみたいだな」
結衣「…はいっ」
篤「この際、彼氏とは別れて俺と付き合
うか」
結衣「!!」
篤「結衣、俺と付き合おう」
結衣「篤さん…」