テキストサイズ

第11章 最後の夜



結衣「…」


篤との関係を別れた
ではなく終わったと表現した結衣


一方的に別れを告げられ終わった関係
最初からゴールなんてないし
ただ終わっただけ

だから別れたではなく終わったの方が
言葉としては正しかった


桃子「…あ、あの先輩」

結衣「何、温泉なら行かないわよ」

桃子「そうじゃなくて、その」

結衣「余計な事言ってないで早く仕事に
戻、り…」

篤「…」

桃子「あ…」

篤「深沢、ちょっと…」

結衣「…はいっ」


終わったとはいえ
篤と顔を合わせるのは気まずく
いくら仕事とはいえ二人っきりになるの
は嫌だった


篤「…」

結衣「…あの」


連れて来られたのは会議室
基本的に会議以外では使われない為
誰もいない

会議室に二人だけ


結衣「…っ」


何も起こらないと思いながらも
どこか期待している
自分がいた


篤「深沢、お前…」

結衣「…はいっ」

篤「お前、どういうつもりだよ…」

結衣「何がですか…」

篤「…」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ