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第11章 最後の夜



篤「週末、行かないんだって?」

結衣「えっ?あぁ…」


週末の温泉宿の取材
桃子には行かないと言ったが
温泉宿の特集記事は結衣が書く事になっ
ていて
本来なら行かないわけには
いかなかった…


篤「この温泉宿、お前が先方に交渉して
取材出来るようになったんだろう」

結衣「…はいっ」

篤「だったら何で行かないんだ」

結衣「それは…」

篤「俺が一緒だからか」

結衣「…」


否定も肯定もしていない
だけど無言でいるのは肯定と同じで


篤「自惚れぬなよ」

結衣「!!」

篤「俺はお前の事、何とも思ってないし
仕事は仕事なんだから割り切れよ」

結衣「…割り切ってます」

篤「なら週末来い」

結衣「…」

篤「返事」

結衣「…はいっ」


必死にお願いし取材を取り付けた温泉宿
仕事に私事を挟むなんて言語道断
社会人としての責任もあり
結衣も行く事に


結衣「…」


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