テキストサイズ

いつか手をつないで歩こう

第17章 愛してる


数時間後。私と浩輔は、春子叔母さんの家を訪ねていた。


私が浩輔の子を身ごもったと聞くと、叔母は絶句した。


「あなた達まさか、そんな事になっていたなんて…」

「叔母さんには、ほんとに申し訳なく思っています。でも、俺と美雪は心から愛し合ってるんです」


「叔母さん、この子を産むことを許してください」

「美雪ちゃん…」

「これから大変なのは覚悟しています。たとえお腹の子に障がいが見つかったとしても…俺は絶対に二人を守り抜いてみせます!
だから、どうか美雪に子どもを産ませてやって下さい」


「お願いしますっ」

「浩ちゃん、美雪ちゃん。よく話してくれたわ…」


浩輔は叔母に必死で頭を下げていた。
私と子どもの為に。
私の身勝手なわがままで、こうなってしまったけど……。


叔母はうなだれる私達をしばらく黙って見つめていた後、静かに話し出した。


「実はね、叔母さんあなた達に隠していた事があったの」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ