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悪魔的ドクター

第13章 元カノ

黙ってた理由も
結婚しながら別居してる理由も
どうして婚約者がいるのに
あたしをここに住まわせているのかだって…。


だけど
返事を聞いて現実を思い知らされるのが怖い。


『いらない』って
捨てられたくないよ。


何より先生の口から
彼女を『愛してる』って聞きたくない…。



「…なんでもないです」


「…わかった。じゃあ俺は当直の準備があるから」



手紙を持って自室へと向かう先生の後ろ姿を、あたしはただ黙って見つめるしか出来なかった。





先生は何かを隠している。

だからそんなに険しい表情ばかりするんでしょ?



どうして何も話してくれないの?



あたしには
関係ない事かもしれないけれど…



でも
イヤなんだ。



婚約者がいるこの現実を
受け入れる事に…。



このマンションを出ていかないといけないかもしれない。


荷物…
まとめなきゃか…。








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