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悪魔的ドクター

第6章 同棲

「アパートの家賃が、そこしか安い所がなかったからです」



なんかこういう事を暴露するのは恥ずかしい。


と言うか
先生に関係ないよ…。



そういえば、この前も
同じ様な質問されたっけ。


家賃やら学費やらの心配してたみたいだし。

やっぱり未成年の1人暮らしが不安なのかな…。

大人って心配性なんだね。



「どうして…そんな事聞くんですか?」


「…いや」



聞いてはみたが先生は答えない。

チラッと先生を見ると
真剣な顔で運転している。

…と言うより
何か考え事してる様に思えた。


だからあたしも
深くは聞かなかったんだ。




それよりも…
会話が終了し
また気まずい…。


さっきの会話も
結局あたしの事を話したのみ。

『医者と患者』なんだから
デートじゃないんだし
そんな楽しそうには出来ないけれど…
こんな無言はさすがにイヤだな。


「咲桜ちゃん」



そんなあたしの気持ちが伝わったのか、信号で止まった所で
先生は相変わらず正面を向いたまま、真剣な表情で声を掛けた。



「はい」



何気なく返事するが…



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