R:ラブデビゲ
第6章 純愛と勇気
屋上に出ると――――…
阿久津先生が…麻実を抱き締めて…
座っていた――――――…
麻実は…気を失っているのか…
眠らされているのか…
ピクリとも動かない―――…
「何をした!!麻実に…
麻実に何をした―――――!」
私は、阿久津先生を攻め立てた!!
「ま…まさか……
入川さん…命の欠片をつかったんですか?」
長内が…フラフラ…近づき――――…
力なく…呟く―――――…
「命の欠片…?」
「麻実が…望んだ――――…
良かったな…長内…
俺の契約者が…麻実で―――…
良いとこ取りだってよ――…
無茶苦茶言いやがる…」
長内を見ると…体をペタペタ触り…
嬉しそうにしている…が…
心配そうに…
麻実を見つめる―――――…
「…ちょっとな…今回の願いは、無茶ぶりが大きかった…
長内…そんな顔をすんな…
こいつは…まだ…大丈夫だ…
今日は、このまま連れて帰る…
おい、及川!説明は、長内から聞け……
帰りに麻実のカバン届けろ……
じゃ〜な―――――――…」
私は、聞きたい事が沢山あったが…
大きな黒い翼を広げ―――…
麻実を抱えて飛び立つ姿に――――――――――…
声をかけることが…
出来なかった―――――――…