テキストサイズ

闇と光

第2章 光

男性は彼女を自宅に連れて行く。
温かい飲み物を出して、彼女を責めるわけでもなく、ただ乳飲み子の名前を聞いた。
「光」と書いて「こう」と呼ぶ。
男性は乳飲み子を抱かせてもらった。
その温もりは生きている証。
彼女はあちこち怪我をしたが、乳飲み子は全く怪我をしていない。
男性も傷だらけだった。
彼女は、ぽつりぽつりと話だした。
男性は静かに話に耳を傾けた。
話が終わる頃、カーテンの隙間から太陽の光が差してきた。
闇だった世界から眩しい光が強く差し込む。
乳飲み子が目を覚まし、母親を見て、にっこりと笑った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ