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エスキス アムール

第9章 変態熊吾郎




今日の難関は
三嶋良子だと思っていたが、

それはとんだ間違いだった。



一番難関だったのは、

この爽やか好青年
もとい、

変態ホモ野郎だったんだ。



『お噂は聞いています。
綺麗な顔だ』

何と無しに
さらっと付け加えられた、
『綺麗な顔だ』というフレーズ。


普通の男が
そんな事を言うはずが
無いじゃないか。


あそこで気付くべきだった。

熊吾郎に気を取られて

っクソっ!!!


なんでまだ戻ってこねーんだよ
っクソ!!



結局社長は
今日だけは本当に調子が悪く、
トイレから離れられなかったことがわかった。

よかった。
まだトップニュースを飾ることもない。



しかし、帰り際。

変態ホモ野郎がタクシーに乗るのを見届けるため、
立って見ていると、
その横にいた
三嶋良子と目が合ってしまった。


……目が、あってしまった…
(テンションがだ落ち)。


彼女は、
俺の目を見てウィンクをすると、
変態ホモ社長にばれないように
エアキスまでかましてきた。


嫌な記憶が蘇る。





………もう副社長やめようかしらん。












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