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エスキス アムール

第12章 「風邪です!」






「…そんなことで、
あんなに泣きじゃくってたわけ?」

「そ、そんなことって
言い方ないでしょ?」


大野さんとの
デートのあと、
泣くだけ泣いた私は

シュウに
デートのことを話した。



そしたら、
こんな言い草だ。



こっちは
真剣に悩んでいるっていうのに。

シュウはふんぞり返って
鼻で笑いながら
ソファに座っている。



「ちゃんと聞いてよ!」


「聞いてるよ。
だいだいさ。
その女の人ってか、秘書?
秘書と話したのかよ?」



「話してない…」



「話もしてねーで、
秘書が大野さんのこと
好きだなんてわかるわけないだろ?」



「…」



「だいたいさ、
勝負しようとするところまでも
いってねーのに、

何が勝ち目がないー
だよ。」



「…」



正論すぎて
何も言い返せない。

この、ふんぞり返り野郎。




「なんだよ、その目。」




「……」

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