エスキス アムール
第12章 「風邪です!」
「でもさ〜。」
「なに?
まだなんかあんの?」
シュウは思いっきり眉間に皺を寄せた。
「だって、
勝手に走って、
勝手に泣いて、
って、意味がわからない行動って
思われたんでしょ?」
「そうだな。完全にな。」
「…恥ずかしすぎて、
合わせる顔が無いよ…」
「じゃあなにか?
このまま一生会わないつもり?」
「そうは言ってないけど…、
ねえ、お願いがある!」
「なに?」
「シュウが言った通り、
大野さんが本当に来たら
私は風邪で休んだって言ってくれる?」
「はぁ?嫌だよ!
じゃあいつ会うんだよ!
せっかく来てくれてんのに?
突き返すの?」
「…こ、心の準備ができるまで…っ
二回目に来てくれたら、
会って謝るから!
お願い!」
「…しょうがねーなー。
ラーメン奢れよ。」