エスキス アムール
第16章 バーボンと、ストーカー
「…ありがとう。」
「…うん。」
「…でも、もういいんだ。
もし、これが本当でも
彼女は俺のことを好きじゃないから。」
「……そか、」
俺の言葉に木更津は、
もう一杯バーボンと言うと、
自分のバーボンを俺に渡した。
まあ、飲めよと。
その目は優しかった。
「ホモにも
優しいやつがいるんだな…」
「だから、それ偏見な!」
そう言って、俺に指を差す。
それを見ながら
バーボンを口に含み、笑った。
そうすると、木更津も、笑う。
「お前ってさ、
俺のこと好きなんだよね?」
「おー、なになに?
そうだけど。」
「なんで、応援してくれるわけ?」
「…世の中にはさ、
三嶋みたいに好きだから邪魔する奴もいれば、
僕みたいに好きだから、
相手の幸せを願うこともあるんだよ。」
僕は後者の方が、
究極の本当の愛情だと思うけどね。
彼はそう呟いた。
なんか…木更津って…