エスキス アムール
第16章 バーボンと、ストーカー
「シュウくんが描いたの?
うまいね。」
その言葉に、彼はニヤリ
笑う。
だけど、
その次のページをめくった時、
絶句した。
「…これって…、」
「わかった?
これ、
俺のスケッチブックじゃないよ。
オーノさんなら
誰のか、分かるでしょ?」
そう言って、珈琲を啜る。
「このために
5時間も待ってあげたんだからね。
今度、なんかご馳走してよね」
某然とする俺に、彼は笑った。
そして、言う。
「もうさ、迎えに行ってやってよ。
…見てらんないんだ。
アイツのこと。」
その言葉に、家を飛び出した。