エスキス アムール
第17章 夜中の襲撃
【はるかside】
「ん!」
どうやら彼は今、
絶賛甘え猫モードに突入したらしい。
「まだー?はやくー。」
そう言って、頭を突き出す。
キレ気味に
ドライヤーを渡すと、
しばらくそれを見つめ、
「乾かして?」
そういって、
猫はニンマリ笑った。
「や、やだ…っ」
「いいじゃん、ケチ」
そう言って毛布にくるまる。
絶対に自分では乾かさないつもりだ。
「俺、結構傷ついてたんだけどなー
風邪だって、
あからさまなウソついて拒まれて、
お見舞いに行って拒まれて。
携帯だって
俺のアドレスはお客用にいれるしさ。
ストラップもそうだしさ。」
くるまりながら、
猫は可愛い愚痴を溢した。
「…大野さん、覚えてたの?
スマホがお客用だっていったこと…」
「…うん」
だから、
あの時哀しそうな顔してたんだ!
ようやく合点がいった。
「ふふ…」
同時におかしくなる。
てことは、
スマホを取り出すたびに、
いじけてたってことだ。
「笑い事じゃないからね?
本当にショックだったんだから。
キスだって、
そういうつもりじゃないとか言うし。」
「だって…
大野さんが好きでいてくれてるなんて、
思わないもん。」
「…
…で?」
「で?って?」
「やっぱり、
乾かしてくれない…?」
猫は毛布から目だけを出して、
少しだけいじけた表情でこちらを見た。
「ん!」
どうやら彼は今、
絶賛甘え猫モードに突入したらしい。
「まだー?はやくー。」
そう言って、頭を突き出す。
キレ気味に
ドライヤーを渡すと、
しばらくそれを見つめ、
「乾かして?」
そういって、
猫はニンマリ笑った。
「や、やだ…っ」
「いいじゃん、ケチ」
そう言って毛布にくるまる。
絶対に自分では乾かさないつもりだ。
「俺、結構傷ついてたんだけどなー
風邪だって、
あからさまなウソついて拒まれて、
お見舞いに行って拒まれて。
携帯だって
俺のアドレスはお客用にいれるしさ。
ストラップもそうだしさ。」
くるまりながら、
猫は可愛い愚痴を溢した。
「…大野さん、覚えてたの?
スマホがお客用だっていったこと…」
「…うん」
だから、
あの時哀しそうな顔してたんだ!
ようやく合点がいった。
「ふふ…」
同時におかしくなる。
てことは、
スマホを取り出すたびに、
いじけてたってことだ。
「笑い事じゃないからね?
本当にショックだったんだから。
キスだって、
そういうつもりじゃないとか言うし。」
「だって…
大野さんが好きでいてくれてるなんて、
思わないもん。」
「…
…で?」
「で?って?」
「やっぱり、
乾かしてくれない…?」
猫は毛布から目だけを出して、
少しだけいじけた表情でこちらを見た。