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エスキス アムール

第2章 オオノさん






それは私も同じ。

繋がりたい。
好きな人だから。

だけど、
その前にお客と風俗嬢だ。


「ダメだよ。
お店のルールだもん。」


「そうだよね(笑)」

そういいながら、動く。

大野さんは
冗談のつもりで言ったのだろう。それはわかっていた。

ルールだと改めて言ったのは、
大野さんに言ったのではなく、
自分に言い聞かせるためだ。

イレていいよ。

そう言ってしまいそうで。

そうしたら、
もっと、彼を縛り付けてしまう。

何か壊れてしまうような
気がした。

その一言で、
一線を越えるつもりは無いと
言われるのも怖かった。

それで
大野さんが来なくなったら、
私は一生後悔するだろう。


大野さんと
会えなくなるのだけは嫌だ。

だったら、このままでも良い。

このままが、良い。

「気持ちいい?アカリちゃん。」

「…っん、うん…」


そう言うと、
大野さんは切なそうに笑った。



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