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エスキス アムール

第17章 夜中の襲撃





「……」



猫はじっと私を見て
何も言わない。

系統でいえば、
その顔は拗ねている系だ。



「…どうしたの?」

「…俺も、そっちがいい…」


そう言って、ガラケーをみる。



「…ガラケー欲しいの?」

その質問に首を振る。



はて。


「アドレス…俺の…スマホ…」

片言の言葉をいじけたように繰り返す。

多分眠いんだろう。

現実と夢の中を
行き来しているみたいだ。



「あ、大野さん。
違うよ?
私、スマホがプライベート用だよ?」


その言葉に猫は
ゆっくりと、起き上がった。



「うそついたの。
プライベート用に
大野さんの連絡先をいれたら
どう思われるかとおもったから…」


猫の瞳はゆらゆら揺れて
なんだ…

一言そう言うと、
また寝転がって、なんだ…なんだ…
繰り返して、




寝た。



……今日どこで寝よう。
布団を掛けずに寝てしまった猫に、
布団をかける、


そのとき、



「わ…」


猫に引っ張られて
気が付いたら、
猫の腕の中だ。




「…ん…っ」

布団の中で
唇を吸われる。

声を上げると、
猫は満足そうに笑った。





……電気、消してない……



まぁ、いっか。
彼の温もりを感じながら、
幸せいっぱいに

瞼を閉じた。







第一章-終








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