エスキス アムール
第18章 良ちゃんの恋
【良子side】
良子と書いて、リョウコ。
この名前が私は大嫌いだった。
病院でも学校でも
初対面の人は、
必ず『ヨシコ』と、呼ぶ。
少し、宿題を忘れたり
駄々をこねたりすると
よく男子に、
ヨシコのくせに
全然良い子じゃねーなと、
からかわれたこともあった。
リョウコと読むなら、
涼子でも遼子でも稜子でも
他にもいくらでもあったはずだ。
選りに選って、
何でこの漢字なんだ。
幼心に考えては責めて、
お母さんを困らせたこともあった。
高校1年生のとき
その日は雨が降っていた。
そういえば、
午後は天気がぐらつくって言ってたんだった。
傘忘れた私は
仕方がないので
学校から駅までは走って行ったけど、
家の最寄り駅につく頃には
雨が本降りになっていて、
バケツをひっくり返したような
雨が降っていた。
困ったな…。
傘買うにも
今日は財布も家においてきてしまった。
あるのは定期だけだ。
仕方ない。
このまま濡れて帰るしかない。
そう思って、
足を踏み出した時だった。
「もしかして、傘無いの…?」
そんな声が後ろから聞こえた。
良子と書いて、リョウコ。
この名前が私は大嫌いだった。
病院でも学校でも
初対面の人は、
必ず『ヨシコ』と、呼ぶ。
少し、宿題を忘れたり
駄々をこねたりすると
よく男子に、
ヨシコのくせに
全然良い子じゃねーなと、
からかわれたこともあった。
リョウコと読むなら、
涼子でも遼子でも稜子でも
他にもいくらでもあったはずだ。
選りに選って、
何でこの漢字なんだ。
幼心に考えては責めて、
お母さんを困らせたこともあった。
高校1年生のとき
その日は雨が降っていた。
そういえば、
午後は天気がぐらつくって言ってたんだった。
傘忘れた私は
仕方がないので
学校から駅までは走って行ったけど、
家の最寄り駅につく頃には
雨が本降りになっていて、
バケツをひっくり返したような
雨が降っていた。
困ったな…。
傘買うにも
今日は財布も家においてきてしまった。
あるのは定期だけだ。
仕方ない。
このまま濡れて帰るしかない。
そう思って、
足を踏み出した時だった。
「もしかして、傘無いの…?」
そんな声が後ろから聞こえた。