エスキス アムール
第23章 別離と別離と別離
何度も同じことを聞かれ、
何度も同じことを答え
とりあえず、帰宅が許された。
深夜であったが、
当然のようにマンションの前に
マスコミが居て。
大家さんにた頼んで
裏からいれて貰った。
はるかちゃんは、
大丈夫だっただろうか。
マンションだから、
部屋の前まではこられないはず。
部屋から出られないということは
なかったとは思うけど、
とても心配だった。
急いで部屋に向かって、
ドアを開ける。
すると、部屋の中は
電気が一つもついていなかった。
もしかして、入れなかったのか?
それとも、この真っ暗闇の中にいるのか?
リビングに入って、
電気を付けると、そこには誰もいなかった。
そして、机の上に、
この間あげた指輪と
手紙がおいてあるのを見つける。
まさか…、
そんな…嘘だろ?
「はるかちゃん…?」
どこの部屋にもいない。
彼女の荷物もなくなっていた。
服も、化粧品も、
歯ブラシも、何もかも、
なくなっている。
急いで携帯に連絡したが、
返ってきたのは、
この携帯は
現在使われておりません
という無機質なアナウンスだけだった。
「なんで…っ」
机の上においてある、
その手紙に、恐る恐る
手を伸ばした。