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エスキス アムール

第26章 彼の邸宅





「いいにヤツにあった」

「いいヤツ?」

「うん。

雇うなら
あいつ、雇いたいなぁ」



その顔はキラキラしている。

ああ、やっぱり
この人は仕事が好きなんだな。





『やりたいことなんてない。』

なんて、


やっぱり
本心じゃなかったんだって。

とても嬉しくなった。




でもさ。

えーっと…、




あのー、



「ところで波留くん」


「ん?」

「ご飯は?」

「……あ!!!」


掃除に夢中で
すっかり忘れていたようだ。


鼻に汚れをつけた彼は、

罰が悪そうに
ため息をついて俯いた。




「いいよ。

こんなにきれいにしてくれたんだし、何か出前とろう。」




そうして、

ベタにピザをとった。

しかし、
そのピザが何というか

とてもまずくて
食えたもんじゃない。


まずいね。
そう言おうと思って
波留くんをみると、


「うんま。
なんでこんなにうまいんだ」


と一人で呟いて
美味しそうに食べていたので
口をつぐんで


我慢して食べた。














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