エスキス アムール
第27章 彼とのカスタム
こういう時の方が、
なんでもいうことを聞いてくれる。
日頃のラリーも好きだけど、
急に従順になる
ギャップも堪らないよね。
「もうすこしこうしてよう?」
「うん…もうすこし…」
ブツブツ呟くと、ギュッと
僕のパジャマを握る。
あー、これ
覚醒したとき
覚えてないんだよなあ。
覚えてないからたちが悪いんだ。
僕だからいいものの、
これ、他の人だったら
勘違いしてるからね?
「……」
隙だらけ。
今ならいける。
彼の額に頬に鼻に
少しずつ、キスを落とした。
「んぅ…」
少し声を漏らして
もぞもぞと動き
仰向けになると、
フラッと
目が開いた。
あ、これから
覚醒準備にはいるな。
何度も何度も一緒に寝ると、
彼の些細な癖を知れる。
彼の観察をするのは
とても面白かった。
見たて通りだんだんと
彼の意識がはっきりしてくる。
「………ねむ。」