エスキス アムール
第30章 彼の変化
だけど、
僕がご飯を食べていたり
何かをしている時に
ふと、波留くんの方を見ると
彼は僕の方をずっと見ていて
また、目が合うと
そらしてしまう。
彼はポーカーフェイスを
決め込めていると
思い込んでいるが、
それは違う。
顔が赤くなっていなくても
耳が真っ赤になっていることが
ほとんどだ。
「…最近、波留くん
おかしくない?」
そう聞いてみると、
「何が?どこが?別に」
その一点張りだ。
んーーー。
経験上さ、
この症状的ものって
アレかなあって思おうんだけど
でもさ、
波留くんに限ってないよなあ。
と、自分で自分を否定する
自惚れだよ と。
だって、第一印象さ、
僕がホモで波留くんを狙ってる
ってことバラしたら、
最強に嫌な顔したしね?
また飲みに行こうね
って行った時も
すぐに 無理。 って
言われたしね?
この家に来なよと言った時も
すぐに 無理。 って
いったしね?
無いよなあ
うん。
ないなあ。