エスキス アムール
第30章 彼の変化
「うわー、うまー!!」
聞けば、ルーは市販で
売っているものではなく
自分で牛乳と小麦粉とバターで
作っているのだそうだ。
「波留くんさ、
料理人になれるんじゃない?
うん。絶対いけるよ!
僕毎日通っちゃう…」
興奮しながら彼の方を見ると、
バチッと目が合う。
「……っ」
それに彼は驚いて、
勢いよく目をそらした。
まただ。
ほら、
顔も赤くなっている。
「波留くん、顔赤いよ?」
「……っ俺、寝る。」
彼は顔を背けると、
思いっきり動揺して
寝室に入っていった。
なに。あれ。
またじゃん。
また、仕事
手につかなくなっちゃうじゃん。