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エスキス アムール

第30章 彼の変化





彼は慣らしもしないまま、
僕に腰を沈めた。

彼は僕が男では初めてで。
自分でほぐす行為などしたことがないのだろう。

彼は顔をゆがめたが、
腰を止めることはなかった。




また、まただ。
僕はこの男が与える快楽に抗うことができない。
彼が気持ちよくなる顔を見るたびに体の奥から、疼くような欲望が溢れ出る。

それを止める術を
僕は知らなった。

こんなこと、初めてだったから。



こんなことを繰り返す
関係は、絶対によろしくない。



僕のためにも、


波留くんのためにも。



家においでと言ったことを、
快楽を得ながら
少しだけ後悔した。


最初こそ抱いたものの、
彼にこんなことをするために
家に呼んだわけじゃない。

彼が困っていると思ったから
呼んだだけだ。


彼がこんなことを
望むとも思えなかったし、
ここ最近の状況は、想定外すぎるものだった。







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