エスキス アムール
第4章 巡り合わせ2
「いや、
俺の方こそ、よく名前…」
「一度来てくださった
お客さんは忘れません。」
それに、
大野さんは私を助けてくださいましたし。
そう彼女は続けた。
疲れている上に、
急な出来事で頭が回らず、う
まく返答することができない。
なんか…緊張しちゃって…てへ。
子供か。社長じゃあるまいし。
そんな事を知ってか知らずか、
アカリちゃんは、
「となり、いいですか?」
と聞いた。
「あ…うん。…どうぞ。」
そうして
アカリちゃんが横になると、
フワッと優しい香りがした。
「いつも、
星、見てるんですか?」
「疲れた時にね、たまに。」
「じゃあ
今日は疲れたんですね。」
お疲れ様ですという彼女に、
激動過ぎる一日だったことを伝えると、
アカリちゃんは驚いた顔をしてクスクスと笑った。
最初は
星を見に来たはずなのに、
気が付いたら星そっちのけで、
俺たちは会話をしていた。