エスキス アムール
第4章 巡り合わせ2
それから
お互い無言のまま、
星空をずっと眺めていた。
それは驚くくらい
自然で、落ち着く時間だった。
眠りに落ちそうになって、
時計を見る。
時計は0時になるところで、
飛び起きた。
「はるかちゃん、
もうこんな時間…て、」
寝てるー!
「はるかちゃん、はるかちゃん」
少し揺すって起こすと、
はるかちゃんは
うっすらと目を開けた。
「はるかちゃん、
ごめんね、
0時近くになっちゃった。」
「…0時…?」
寝ぼけているようだ。可愛い。
じゃなくて、気をしっかり持て!
「…0時!!」
しばらく
ふにゃふにゃしていた彼女は、
ようやく覚醒したらしく、
飛び起きた。
「ごめんね、
俺も寝ちゃったみたいでさ。」
「いえ!ごめんなさい。
私、寝ちゃって…」
家まで送るという俺に、
はるかちゃんは
すぐそこですからと、
やんわりと拒否をした。
まあ、
お客に家を知られるのも嫌なのかもなと思い、
引き下がる。
はるかちゃんが
公園を出るのを見送って、
自分も帰るかと、立ち上がった。
その時、
…これって…。
携帯。
はるかちゃんが
落として行ったみたいだ。
急いで公園の外に出て見たけど、もう姿は見えなかった。
まじか。
まじかよ…。
真っ暗闇の中、
携帯を持って俺は立ち尽くした。