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エスキス アムール

第34章 彼の選択

【木更津side】





「波留くん座ってて平気…?」


「平気だよ」



彼は平然と歩いているけれど
絶対に平気ではないはずだ。
絶対ヒリヒリと
傷んでいるに決まってる。
……うしろが。



「あんなに慣らしもしないで挿れたら…」

「馬鹿!!
聞こえるだろーが!!」


わざと大きな声で言うと、
彼は焦って僕の口を手で塞いだ。



「波留くん、
気持ち良くなると大胆なんだから。」

「…やめろ」


彼はベッドの上ではあんなに甘えるのに、
日頃、外では全く出さない。


まあ、そんなギャップも
堪らないんだけどね。
外でも甘えたら、抑えられる気がしないし。



「それ、おいしい?」

「うまいよ」


というわけで、
最近波留くんが仕事仕事で働き詰なので、
気分転換に食事に誘って
二人でご飯を食べに来ている訳だけど。



彼は、隣でデザートに
なんだか不味そうなものを食べている。

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