エスキス アムール
第6章 甘い体験
「…わかったから。
はるかちゃん、顔をあげて?」
暫くして
上からふって来たのは、
優しい声だった。
「……本当に、それでいいの?
…俺なんかに抱かれて
後悔しない?」
その言葉に頷いた。
大野さんは
しばらく考えて言った。
「……分かった。
でも、条件がある。
いい?」
それは、
他の客と同じ料金を請求する事、
ここのルールをきちんと教えて、客として相手をすること。
その二点だった。
それは、
まだ働かなきゃならないと言う私に、
お客は
怖くないということを植え付けさせるための、
大野さんの優しさだった。
「ルールは、先ずは?」