エスキス アムール
第6章 甘い体験
大野さんは、
私を驚いた顔で見つめた。
「わたし…、
今日…っ首、絞められて…」
「…言わなくていいよ」
「殴られて…無理やり…っ」
「言わなくていい!
…言わなくていいから…」
大野さんは、
私の手を握って、
諭すようにそう言った。
「このままだと、
もう、誰の相手も出来なくなるような気がして…
怖くて…っ
だけど、大野さんなら、わたし…っ」
そう
泣きながら訴える私の話を、
大野さんは
真剣な顔で聞いてくれていた。
「無理なお願いなのは
分かってるんです…っ
だけど、お願いします。
まだ働かなきゃいけないんです…っ
わたしを…抱いて下さい。
お願いします…っ」
そう言って、深く、深く、頭を下げた。
「……。」
「…っ、」