エスキス アムール
第7章 オオノねこ
しばらく
肩で息をしていた大野さんは、
私と目が合うと、
手で顔を覆って隠した。
「も…、はるかちゃん…」
そう私の名前を呟くと、
私に背を向けて布団に潜り込んだ。
か、可愛い…。
「…気持ち好くなかったですか…?」
ちょっと
意地悪かなと思いながらも、
近くによってそう聞いた。
「……。」
無言で
少しだけ布団から顔を出して、
私を睨む。
か、可愛い。
思わず
にやけそうになるのを堪えて
目を合わせ続ける。
私を睨んでいた目は、
勢いをなくし、
グラグラと揺れ、
大野さんは
「……意地悪。」
そういって、
また布団に潜ってしまった。
「…か、」
か、かわいいー!!!
世界中の皆さん、
此処に天使がいます!
此処です!
天使は日本にいました!!
心の中で、叫んだ。ちょっと声に出たけど