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エスキス アムール

第8章 チケット




食堂にいくと、
要が凄い目つきで
昼食を食べていた。

多分
初めて会った人が見たら、
恐れおののくだろう。



だけど、
彼にとっては
あれが普通の顔だ。



要とは中学の時から仲が良く、
史上最高の友達だと思っている。

あんなツラだけど、
根は蚊一匹も殺せない良い奴だ。



彼は
この会社のある部署の部長である。
そんな性格だから、人望も厚い。俺も要の下で働きたかった。

中学生の時、
働く会社まで一緒だと誰が想像しただろうか。

おかげで
俺が喋らなくても、
あいつは全部お見通しだ。



いい奴なんだけどなー。

今日は会いたくねーなー。


プレートに
昼飯をのっけていきながら、
昨日の事を思い出していた。



『嫌だったら言って!
別にいかなくてもいいんだから!』


『あ、2枚欲しかったらいいよ!
あげるから友達と行っておいで!』



あれだけ
要に禁止された言葉を
二連続で出してしまった。

いやーでちゃうよね。



要に殺されかねない。

だから、会いたくない。




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