エスキス アムール
第8章 チケット
え?
黙ってればいいじゃんって?
のんのん、分かるかな?
中学の頃からの付き合いなんだよ。
俺、施設で育ったじゃん?
要の家に
9年くらい入り浸ってたわけね?
家族同然じゃん?
嘘つくじゃん?
ふつーにバレるじゃん?
嗚呼、終わった。
ほら。
こっち見てるよ。
こっち睨んでるよ。←いつもの顔
もう見つかった以上、
覚悟を決めるしかない。
サバ味噌定食を
要の前に置いた。
「お、うまそーだな。」
「だろ。やっぱ魚は最高だよな」
「要のは?あ、唐揚げ定食か。
それもいいよなー!
唐揚げなんてさ、
たまんねーよなぁ!」
「……」
視線が痛い。
ジリジリ痛い。
見ないぞ、
俺は見ないぞ。
「波留、」
「あ、サバいる?
だけどダメだよ。
サバ味噌定食なんだから。
サバが主役だろ?
それをとろーたって…」
「波留、ちょっと黙れカス」
ジロリ。
俺を睨む目と目が合った。
ひぃいいいい!
バレたーー!!
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