First Love
第10章 俺が守るから…
それは翔ちゃんと一緒に
トロッコを乗りながら
歌ってる時だった。
俺は見つけてしまったんだ。
俺の公式のジャンボうちわの顔に
マジックでバツを書いて
それをふっている奴を…
俺は一瞬固まった
コンサートって楽しむために
来てるんじゃないの?
俺に嫌がらせをするために
来ているの?
いや、違う
きっと
嵐に俺はいらない
そうあいつは
言いたいんだ…
俺がいきなり固まったから
翔ちゃんもそいつの存在に気づいた。
翔ちゃんの顔は怒りに満ちていた。
翔ちゃんが睨むとそいつは
うちわを下ろした。
だけどもう遅い。
見てしまったから…
どうしよう、怖くて動けない。
だけど、
最後までやりきらなきゃ
その思いだけが俺を後押しした。