テキストサイズ

妄想girls

第3章 恋心を見透かされて

そんなある日のこと。

私たちはいつも通り部活を終えて片付けをしていた。

バスケはゴールがもともと設置してあるが、バレーのネットは1からたてなければいけないのだ。

私がネットを畳んでいるときだった。

世奈先輩に

「あとで話がある。」

と言われた。

つまり、すぐには帰るなということだ。

片付けが終わり、顧問へのミーティングを済ましたあと、体育館で少しストレッチをして、世奈先輩を待った。

「ごめん!お待たせ」

世奈先輩は走って私のほうにきた。

「あの…話って…」

「これからのバレー部のことについてなんだけど…」

「これから…というのは?」

「私は春高バレーで引退するわ。」

春高バレーというのは、その名の通り春に行われる高校生の大会だ。

高校バレー最大の大会と言っても過言ではない。

でも、私たちはその大会にも出られるはずはない。

世奈先輩は続けた。

「でも、私たちは出られない。そんなの嫌なの!」

そりゃあ、そうだろうな…

しかし、この先の頼みは叶えられるようなものではなかった。

「新しいメンバーを探してほしいの!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ