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妄想girls

第3章 恋心を見透かされて

いつもお世話になってる世奈先輩の頼み。

普通なら、絶対にやってあげてるだろう。

ただし、今回に関しては無理があった。

なぜなら、私たちの高校は部活が絶対条件で、100%部活に入っているからだ。

みんな部活に入っているということは、引き抜かなければいけないということだ。

好きでその部活に入っているというのに、部活を変えたいという人はなかなか少ない。

また、その中でもこんな人数が少ないグダグダなバレー部に入ってくれる可能性はあるのだろうか?

「あの…」

私は世奈先輩の返答に困っていた。

「無理を言ってるのは私もわかってる。でも…」

先輩はうつむいて、涙目になっていた。

私はこの姿に心打たれた。

もし、これが演技だったら…

「世奈先輩はなんで、春高にかけるんですか?」

春高じゃなくても、大きい大会はある。

でも、わざわざ今になって探すのだろう?

私たちが仮入部のときから探せば良かったのに。

「美凜には言っても…」

なんのこと?

こんなことがあったなんて、誰も知らなかった。

「私たちバレー部はもとは6人いたのよ。」

「えっ!?今の代ですか?」

「うん。でも、私たちの代の1人が春休み中に事故にあって…」

つまり、世奈先輩の代が世奈先輩を含めて2人いて、その1人が春休みに事故にあったということか。

「植物状態になった。」

植物状態って本当にあるんだ。

私が初めに思ったことはそれだった。

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