
先生とわたしの絶対に秘密な関係
第2章 先生との秘密
『ふーん…』
佐藤先生は目の前にある数学の教科書を閉じた
「佐藤先生は優しくて爽やかで人気者なんだから…タバコ吸ったりいじわるしない……」
そう言うと佐藤先生はタバコを灰皿に押し付けて、無言でわたしを見つめる
「…な…なんですか…」
『田中さん』
「へ……」
“お前”じゃなくて“田中さん”って呼ぶってことは…いつもの佐藤先生…… ?
佐藤先生は顔を近づけて、『僕と田中さんの“秘密”』とわたしの耳元でつぶやいた
そしてわたしのカバンのポケットに小さな封筒を入れた
『家に帰ったら全部わかるよ、じゃ…また明日』
佐藤先生はいつもみたいに優しく微笑んでわたしを部屋から出した
