すべてはあの日から
第13章 真意は央央と
知らない番号に違和感を覚えながらも、
「………もしもし」
『私、榊誠と申します。斎藤政崇様でしょうか』
丁寧な電話対応をするイラつきの元凶からの電話だった。
「…何の用だ」
真央に聞こえないように声のボリュームを下げる。
『……………』
「………切れたか…」
『………か…』
「……は?」
上手く聞き取れず、携帯を耳に近付けると、
『俺の会社潰す気か!!』
いきなりの大音量で 怒鳴り声が耳を刺激する。
あまりの声の大きさに、真央がびっくりしてこちらを見る。
『ふざけんなよ…、
汚ねぇ手ぇ使ってんじゃねーぞ!』
「……何の事か」
『てめぇ…忘れたとは言わせねぇぞ。
せっかくの婚約会だと思ってたら、急に緊急会議で会社に呼び出されて…
ふざけんなよ…』
凄みのある声色に、ついニヤニヤしてしまう