すべてはあの日から
第15章 未定
お婆様が、この家を訪れたいということだったから、
何故かと不思議に思っていたけど、
今 ようやく分かった。
「ここは新築?
……まさか 前婚約者と暮らしてたんじゃないでしょうね」
な、
なんでそんなこと…
「いえ、
ここが建つ半月前には入院していたので、同棲はしていません。
遺影だけをここに持ってきたんです」
淡々と述べる政崇さんに、胸が握り締められるように痛む。
「…そう」
「夕食を用意しますから、こちらに…」
座敷に敷いた座布団に正座するお婆様の前に、
出来立ての料理を並べる。