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すべてはあの日から

第2章 夜桜パイ


「…はやく食べたい…」

そう言うや否や、私の手を引っ張ってスタスタと歩いて行く。


「あ、あの…」


「まさか、渡して帰ろうとか思ってた?」

「えっと…」


足を止めた彼は振り返り、私に顔を近付けると

耳元で、


「帰さないよ?」


と甘く囁いた。


耳から、顔へ、手へと熱が集まる。


そんな状態の私を見て、

「また赤くなってる」


とニヤニヤ笑われたのは言うまでもない…


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