テキストサイズ

すべてはあの日から

第2章 夜桜パイ



「これはフィユタージュといわれるパイ生地で、コンポートを包んでいるんです」


「しかも、桜の形になってる…表面にかかっているのは?」

「檸檬と蜂蜜のソースです、程よい酸味と香りを出したくて…」


サクッとした食感、


そして、中からは苺のコンポートがとろりと溢れる。



彼は口に入れてから食べ終えるまで、一言も話さない。


「……あの…どうでした?」


恐る恐るといった感じで尋ねる。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ