すべてはあの日から
第2章 夜桜パイ
「…期待以上。凄く美味しかった」
きちんと両手を合わせて「ごちそうさま」と言うと、思い出したように
「そういや、お互い名前知らなかったな…」
「あ……」
「俺は、斎藤 政崇(マサタカ)」
「花咲真央です」
「…ふっ、今頃自己紹介って 遅すぎるよな。
…まぁ、よろしくな、真央」
「……こ、こちらこそよろしくお願いします」
何だか彼と話すだけで、胸がドキドキする…
「また、何か作ってよ。俺、甘いもん好きだし」
「はいっ、斎藤さんは何がお好きなんですか?」
「んー…、一番は苺大福かな…
いや、羊羮も好きだし…地味にマカロンとかも好きだな…でも……」
「…でも?」