すべてはあの日から
第2章 夜桜パイ
「今日食べたやつが 一番好きだな」
「……!」
そっと斎藤さんの右手が、私の左頬に添えられる。
じっと見つめる格好になる…
斎藤さんの目は真剣に私に向けられている。
どこを見たら良いのか分からず、
きょろきょろと目を動かしていると、
「……あのさぁ、
そんなに挙動不審だと、キスしづらいんだけど」
「キ、キス!!?」
「ふっ、……俺の胃袋鷲掴みにされちゃったからさ。
……今度は俺が真央の心を鷲掴みにする番」
あまりにセクシーなオーラを纏っているから、
簡単に誘惑されてしまいそうになる。