甘い果汁
第9章 嫌な果汁
「っあ! 悠ちゃん」
真っ黒な髪の毛に、
凛とした目、
身長は私より、はるかに高い。
「誕生日おめでとう、悠ちゃん」ニコッ
「先生、俺にもそんな笑顔見せないでよ」
そう彼は言うと、ベッドに座った。
「お見通しね、悠ちゃんには…」
生徒の中では悠ちゃんしか私の素顔を知らない(はず)。
「あっ、これ誕生日プレゼント!」
机の引き出しから買って来たプレゼントを出し、彼が座っているベッドへ行ったときーーーーー
腕を引っ張られ、
私は彼にキスされていた。
「んっ…」
彼のキスは、甘くてとろけそう。
こんなキスは、生まれて初めてだ。