甘い果汁
第9章 嫌な果汁
「「……」」
そ、んな目で見ないで…っ
彼は私の目をジッと見つめる。
全身が
熱くなっていくのを
感じた。
「先生」
「な、何?」
「そこで脱いで」
彼が指差した先は、
「えっ、そんなとこで?」
窓の前だった。
「今日は、俺の誕生日だよ? 言うこと聞いてくれるんじゃなかったっけ?」
「っ!」
そういえば、そうだったかな…
私は彼の上から降り、
窓の前に立った。
白衣を脱ぎ、
カーディガン、
シャツ…
「っねぇ…」
「ん?」
「カーテン…閉めたいっ…」
ここは一階。
保健室の窓から見える景色は、
グラウンドや花壇、校門。
(絶対こんなとこじゃ、皆に見られちゃうじゃない…)