甘い果汁
第10章 溺れる果汁
「ぶほっ、ゆ、悠也君? 今、何時だと思ってるわけ?☆」
「二時半」
知ってるわ。
動画を停止して、起き上がった。
(ま、また、悠也にAV見てるとこ見られた…)
「亜衣ってば、またこんな動画みて」
「ち、がうもんっ、う、歌、聞いてた」
「部屋中にキスの音、響いてたけど、それ、歌?」
「チューの歌」
「そんなんないから」
ぅああああああ、恥ずかしい。
悠也が段々と近づいてきて、
私の頬にそっと手を触れた。
「んっ…」
ちゅっ…
「久しぶりの…キスだね」
私の目を見て、にこっと悠也が笑った。
「ん… そ、だね…」
悠也は私の唇に親指をあてて、ふにふにと触り始めた。