甘い果汁
第2章 果汁1
「委員長! ここの問題教えて!」
朝から私の席に押し寄せてきたのはクラスメイトの矢田 穂乃夏(ヤダ ホノカ)、通称矢田ちゃん。
「や、矢田ちゃん…今日も課題やってないんじゃ…」
「そっのとおぉぉりッ!
だーかーらー、見せて♡」
「…………………」
矢田ちゃんは私のノートを手にすると、自分の席にすぐに座り、机に向かっていた。
(…英語の先生怖いからな…)
ふぅとため息をついて、窓の外を見ていると、
「あーーいちゃんっ!だぁれだ」
いきなり後ろから目を塞がれた。
「…風奈…風奈!!!」
「あったり~…て、亜衣、顔色悪い…」
ジッと私の顔を覗き込んで心配そうな顔をしてこちらを見る風奈。
「あーー…昨日…悠也に勉強教えてた…からかな…窓から侵入してきて…」
「あーー…まぁ、あと一時間で放課後だし頑張ろ!」
「うん!」