甘い果汁
第2章 果汁1
最後の授業が終わって、
帰ろうと荷物をまとめて教室を出たとき…
ピーンポーンパーンポーン…
『生徒会、各委員長は、生徒会室にこのあとすぐに集まってください。繰り返します…』
オーマイゴッド!!!
今から家かえって、アレ見ようと思ってたのに…
トボトボと廊下を歩いて生徒会室に向かった。
「失礼しマース」
「あっ、亜衣たん!」
目を輝かせて私に抱きついて来た優香。
「優香! なんだかお久だねぇ」
「ねっねっね♪ あっ、この会議終わったら勉強教えてくれない? もうすぐテストじゃんっ?」
尻尾を振っている子犬のように、私の目をじっと見てきたので、
「うん…わかった!」
断れなかった。