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「ハアッ…ハアッ…。」
カラン
という音と共に未来の手から剣が落ちる。
未来は大量の汗をかいていた。
なんとかお約束通りに倒せたもののいきなりゴブリンなどという訳の分からない物に襲われたのだから無理もない。
「う…。」
未来の体から力が抜ける。
ドサッ
と未来は地面に倒れてしまう。
「な、なんなんだ…。」
確かめるように口を動かす。
確かに未来の口は動いていた。
それだけではない。
「これが俺の声…？」
口だけではなく耳まで聞こえるようになっていた。
「い、一体どうなってるんだ」
なおも確かめるように口を動かす。
そこで未来は違和感に気づいた。
いや、気づいてしまった。
ゆっくりと地面に手をついて起き上がる。
手を見ると
「土…。」
土がついていた。
未来がさっきまで歩いていた道路はアスファルトのはずだ。
それなのに土がついているという事は。
ゆっくりと辺りを見回してみる。
そこには未来の知らない景色が広がっていた。