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目の前の風景は未来の知っている場所ではなかった。
辺りは背の低い草に覆われていて遠くには村か街のような物が見える。
「一体ここは…？」
どこなんだと言おうとしたところで
「ん？おい！お前…未来か!?」
後ろから大声で自分の名前を呼ばれて未来は思わず耳を塞ぐ。
それからゆっくりと後ろを向く。
すると、そこにいたのは
「翔!?」
そこには高校の数少ない友達の翔（しょう）がいた。
翔は心底驚いた様子で
「お前…声がだせるようになったのか!?」
と話しかけてきた。
「あ、ああ。俺もなにがなんだか分からないんだけど…。急に口だけじゃなくて耳まで聞こえるようになったんだ。」
「そうか…。それはここが特別な場所だからなのかもしれないな…。」
翔のその言葉を聞いて
「そ、そうだ！ここはどこなんだ!?」
今の状況を思い出して翔に質問してみる。
「ここか…。ここがどこにあるのかは分からない…。ただ…。」
「ただ？」
途中で言葉が途切れた翔を急かすようにして言う。
「ただ…ここは現実ではない。」
未来はそれを聞いた瞬間自分の日常が崩れる音を聞いた。